【映画日記】自分がなんでユメミーワールドが好きか分かった

ある日、しんちゃんの幼稚園に転入してきたサキちゃんは物凄く美少女だけど無愛想だし無口だし口も悪い……そんな時にしんちゃん達の住む春日部にて集団悪魔ヒステリーが起こる……

ってこう書くとゼロ年代伝奇ホラーの導入みたいになりますね。

・サキちゃんカワイイ
サキちゃんは「邪魔!」「あっちいって!」などの発言で他の子を遠ざけていつも1人でいます。「どうせ嫌いになるよ」と小声で言うところからサキちゃんの想いが少し見えるが……?

・サキちゃんの悪夢
この映画とにかく悪夢の描写が怖い!!!荒廃した黒い地表に悪夢的成分(?)で形作られた悪夢的産物(?)にうなされる人々……怖え!!!!ガチで怖え……とくにサキちゃんの悪夢はやばいです。目の中が黒いデカい綾波をもう少し恐くした感じのやつが出てきます。

以下ネタバレ

・親子間セカイ系アンドそこからの救済
サキちゃんは自分のせいでお母さんが死んでしまったという自責の念から悪夢を見始め、このままでは悪夢に精神を食い尽くされてしまうため、サキちゃんのお父さんは春日部の人々のユメルギー(もはや生命エネルギーのようなものなのかもしれない)を使ってなんとかサキちゃんを悪夢から一時的に回避させている状況で、その街のユメルギー吸いつくしたらまた別の街へ移動、を繰り返しているようです。

このお父さん、セカイ系主人公の立場をそのまま父親にしたような感じです。「この子のためなら世界がどうなってもいい」というド直球な発言もしています。マッドサイエンティストだし私的にはかなり好きなキャラクターです。

セカイ系的な「キミかセカイか」論のエゴっぽさが親子間の問題になったことで穏便になった感じがします。

サキちゃんとしんちゃん達はバクを探しに悪夢の世界へと行きますが最終的にはしんちゃん自身がバクになります。いいんです。だって夢の世界だし。この劇的な変身でテンションはピークに達します。だってサキちゃんを悪夢から救う者そのものであるバクになっちゃうんですから。ボーイミーツガールここにありです。

あと見た人は分かると思うんですが、これありましたよね。↓
ちびサキちゃんがサキちゃんの自責の念の象徴として出てくる。そして最後に「私、消えちゃうの?」と言うちびサキちゃんに「ずっと私の中にいてもいい」というサキちゃん。自罰的な感情とうまくやっていく五歳児、すげえ。
そしてお父さんに向かって言う「寂しかったの」に全て集約されてますね。(旧劇見た時も同じこと言ってた気がする)
そこからのEDの流れも良くて、全部未来へ向かう言葉になっていくんですよ!!「何十年先も君を友達って思ってる」の歌詞がいいですね……。母の死から停滞した時間からその先の未来へと向かっていく。良い……。

お父さんのセカイ系思想(親ってこんなもんなのかもしれない)とそこから抜け出していくサキちゃん。セカイ系好きに刺さる映画だった。